2022/01/12 19:00
皆さまこんばんは、燻製屋 猫松のコーチです。
遅ればせながら、新年あけましておめでとうございます。2022年も変わらず「美味しい!」と言っていただける商品の提供に努めて参りますので、本年もお引き立てのほど、何卒よろしくお願い申し上げます。
さて本日は、昨年末からお伝えしておりました燻製屋 猫松で手がける《燻り大根漬け(以降:いぶりがっこ)》の作り方の最終工程をご紹介していこうと思います。
前回までの製造工程はコチラから。
美味しい《燻り大根漬け(いぶりがっこ)》の作り方 -その1-
美味しい《燻り大根漬け(いぶりがっこ)》の作り方 -その2-
燻り大根漬け(いぶりがっこ)ができるまで
約5ヶ月の期間を経て完成する燻製屋 猫松のいぶりがっこ。今回は最終製造工程、「いぶりがっこの加工〜完成まで」をご紹介します。
[1] 大根の漬け込み
燻した大根を農事法人さんの作業場に移し、調味液の入った大樽の中で約2ヶ月間、じっくりと漬け込みます。漬け込みの調味液は、米ぬかに砂糖・塩・酢などの原材料を加えたものです。

(我が物顔で樽の大きさを伝える、燻製屋 猫松の代表の図です。笑)
ちなみに、伝統的ないぶりがっこは保存期間を伸ばすため、調味液の塩分が多めに配合されていたよう。
しかし、殺菌処理や保存料の使用など、現代では長期保存の方法に塩分を増やす以外の選択肢を選べるようになったため、燻製屋 猫松のいぶりがっこは塩味を抑え、甘みや深みなど味の幅を広げられるような配合に変更しました。
同じ秋田県内・日本海に面する男鹿産の塩を使用したり、着色料・保存料を使用しなかったりすることなども、美味しいいぶりがっこへのこだわりです。
[2] いぶりがっこの樽上げ・洗浄・ガス抜き
味が染み込み、ようやくいぶりがっこと呼べるようになった大根を樽上げしていきます。

1,000本前後のいぶりがっこが漬け込んである大樽の中から全てを取り出していくのは時間のかかる作業ですが、燻し小屋に大根を吊るす作業と比べたら訳はありません。ただし、外気温がマイナスの中の水場はさすがに手がかじかみます……!
樽上げ後は、いぶりがっこに付着した米ぬかを水で軽く洗い流し、定められた大きさにカットしていきます。


そして1晩かけて、発酵漬物ならではガス抜きを行います。ガス抜きを行うのは、この後の真空の効果を高めるため。より長く鮮度と風味を保つために、いぶりがっこを休ませるのです。

(写真のいぶりがっこは剥き出しの状態ですが、実際にはタオルとブルーシートで保護しています。)
[3] いぶりがっこのカット・真空パック
ガス抜きの翌日からは、女性陣が一丸となっていぶりがっこをカットしていきます。カットは大きく分けて2種類。1本ものと、スライスです。このカットや真空処理も、全て手作業で行います。

燻製屋 猫松のコーチこと私も今年から参加させていただきましたが、カット時の心境は恥ずかしながら「終わりが見えない……」でした。笑
長時間の立ち仕事にも関わらず、嫌な顔ひとつせずハイスピードで目視検品・カット・真空処理を行うお母さんたちには、頭が上がりません。

食品加工の現場に携わると、どんな食べ物にも手間と愛情が込められていることを改めて実感できます。もし機会があれば、皆さまもぜひ食品加工体験をしてみたり、現場を想像しながら食事を味わったりしてみてくださいね。
もちろん、ご家庭の手料理にも感謝の気持ちを忘れずに!
[4] いぶりがっこの煮沸殺菌
包装・真空パックを終えたいぶりがっこは、食品衛生法に基づき、最終工程の殺菌処理を経てようやく販売可能な品質になります。
殺菌方法は、大釜での煮沸。

パッケージ化された商品を80℃程度のお湯でクツクツと煮沸し、殺菌します。

数十分間の煮沸の後に、水で冷ませば煮沸殺菌の工程は終了です。
[5] 美味しいいぶりがっこの完成!
煮沸殺菌後のいぶりがっこに商品ラベルを貼り、しめ縄とも水引とも言えるラッピングを施せば、皆さまにお届けすることができるいぶりがっこの完成です!

大根の生育から加工・包装まで農事法人さんとともに丹精込めて製造していますので、まだ口にしたことがない方はぜひともご賞味くださいませ!
また、
・いぶりがっこ=塩辛いというイメージがある
・いぶりがっこはしなっとして、噛み切りづらい漬物だと思っている
・たくあんとの違いがあまりわからない……
このように感じている方にこそ、パリパリ食感で風味豊かな燻製屋 猫松の商品をお試しいただきたいです。少しでも気になった方は、ぜひお試しくださいね。
さて、昨年末から書き綴ってきた美味しい《燻り大根漬け(いぶりがっこ)》ができるまでは、本日をもって完結となります。ここまでお読みくださった方、本当にありがとうございました。
これからも商品の裏話等やおすすめのレシピ、新商品情報などをお伝えしていこうと思っておりますので、気が向いた時にちらりとブログも覗いていただければ幸いです。それでは!
燻製屋 猫松からのお知らせ

いぶりがっこの再販時期について
本年のいぶりがっこは、【1月中旬〜下旬】にて販売開始の目処が立ちました!1日でも早い販売に向け、年明けから休む間もなく絶賛稼働中です。
現在欠品中となっているネットショップも準備ができ次第、すぐに購入・発送可能な状態に更新する予定ですので、再販まで今しばらくお待ちいただければ幸いです。
なお、再販時にご登録のメールアドレスに通知が届く「再入荷通知」もご用意しております。気になる方は、商品ページの「再入荷通知を希望する」からぜひご登録くださいませ。